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2008年01月24日

「デスパッチン」第1話~第5話(シノプシス)

●第1話「指」

※注 「たけくまメモ」で発表したシナリオでは虎見の逮捕容疑が「万引き」になってましたが、これをカッターナイフ携帯所持による「銃刀法違反」に変えました。

 夏。蝉時雨が耳をつんざく昼下がりの公園。そこに隣接した東京・I署の取調室で、巡査と少年が机を挟んで座っている。少年は数時間前に路上で職質を受け、カバンからカッターナイフが出てきたため銃刀法違反で現行犯逮捕されたのだ。本来その程度のことで署に連行することはないが、少年は名を名乗ろうとせず、態度があまりにも不遜だったので懲戒の意味で逮捕連行されたものである。
 数時間経っても、少年は不敵に微笑を浮かべるのみで、名乗ろうとはしない。苛立った取調の巡査が声を荒げると、少年は指をパチンと鳴らし、「今、お巡りさんの奥さんが死んだよ」ととんでもないことを口走る。
 初めは口から出任せだと思っていた巡査も、部屋に入ってきた同僚がなにごとか耳打ちしたのを聞いて、青ざめる。本当に、そのとき妻が飛び降り自殺していたのだ。パニックになった巡査、妻が運ばれた病院へと向かう。
 翌日。葬儀の手配を済ませた巡査が、署に戻って再び少年と対峙する。少年はなぜ妻の自殺を知っていたのか。気になってしかたがないのだ。しかし少年の態度は相変わらず、巡査をせせら笑うのみ。巡査はかっとして少年につかみかかる。と、彼がまた指を鳴らし、今度は巡査の母親が電車に飛び込んだという。果たしてその直後、I署に池袋駅で老婦人が飛び込み自殺したとの報告が入る。間違いなく、それは巡査の母親だった。
 巡査、半狂乱になる。青筋が浮いた大きな手で、少年の首を絞めようとする。すると少年が、中学生になる巡査の娘の存在を口走る。そしてこのまま自分を釈放するなら、娘の身には何も起きないだろうと囁く。うなだれる巡査。
 少年、ipodを聞きながら、蝉時雨の公園をどこかに歩いていく。

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